日本人は出汁の味が大好き。「これは出汁が聞いているね。」は褒め言葉です。しかし単なる水分のようなお出汁。栄養はあるのでしょうか?
お出汁自体にもしっかりと栄養はあります。
お出汁とは、野菜や昆布、肉、魚、きのこなどからうまみ成分を引き出した液体のこと。
うまみ成分には
アミノ酸系
・昆布に多いグルタミン酸
核酸系
・鰹節に多いイノシン酸
・しいたけに多いグアルニル酸
があります。
グルタミン酸はアミノ酸です。アミノ酸が集まったものがタンパク質。逆にいえば、肉、魚などのタンパク質はアミノ酸に分解されて、小腸から吸収されて身体を作ります。お出汁には消化不要の、すぐに吸収できるアミノ酸が含まれています。
一方、核酸系のうまみ成分は栄養素ではありません。しかし江戸時代に書かれた「本朝食鑑」の中に、「気血を補い、胃腸を整え、筋力を荘にし、皮膚のキメを密にし、髪を美しくする。」とあります。
また沖縄や鹿児島には疲れた時などに飲む習慣があります。何らかの栄養成分があることはわかっております。
現在、鰹節から新たな機能成分が次々と報告されているので、近い内にはっきりと分かってくるかと思われます。
まとめ
出汁はただの液体にあらず!お味噌汁やお吸い物、煮物のお汁にも栄養があります。しっかりいただきましょう。
余談
私の甥っ子(小学生)があるファミレスで茶碗蒸しを頼んだのですが
「これ、味が薄い・・・」と悲しそう。
味が薄いんじゃなくて、出汁の違い。いつも彼が食べているのは、鰹と昆布で引いた出汁を使ったもの。ファミレスのものは多分顆粒だしなのでしょうね。子供は正直です。